LP 一体型フォーム(フォーム一体型 LP)は、商品を紹介する LP の中に申込フォームを置き、ページを移らずに申込まで終えられる形です。単品通販や定期便の初回申込でよく使われ、フォームのページへ移るときに離れる人を減らせるのが大きな利点です。
一方で、ページが長く重くなりやすい、複数の商品を扱いにくい、どこで離れたかが見えにくいといった注意点もあります。一体型にしたのに思ったほど申込が伸びないときは、まずこれらの注意点を確認します。
この記事では、LP 一体型フォームの仕組みと分離型との違い、メリット・デメリット、向いている商品、作り方、成果を上げる設計のコツを順に整理します。最後に、一体型にしても残る「入力の途中で離れた人」への打ち手も紹介します。
LP 一体型フォームとは
LP の中に申込フォームがあり、ページを移らずに申込を終えられる形
LP 一体型フォームとは、商品を紹介する LP(ランディングページ)の中に申込フォームを組み込んだものです。LP を読んでいる人は、同じページの中で商品を選び、お届け先と支払い方法を入力し、そのまま申込を終えられます。「フォーム一体型 LP」とも呼ばれます。
フォームは LP の最後に1つだけ置く形のほか、ページの途中に「お申込みはこちら」のボタンを何か所か用意し、押すとフォームの位置まで移動する形が一般的です。質問に1つずつ答えていくチャット型の入力画面を LP に組み込む形もあります。
分離型との違い
これに対して、LP とは別のページにカートや入力フォームがある形を、ここでは「分離型」と呼びます。LP の「購入する」ボタンを押すとカートのページへ移り、会員登録やお届け先の入力、確認画面を経て申込が終わる、多くの EC サイトでおなじみの流れです。
| LP 一体型フォーム | 分離型 | |
|---|---|---|
| ページの数 | LP の1ページで完結 | LP → カート → 入力 → 確認と、複数のページを移る |
| 申込までの手順 | LP を読んだ流れのまま入力を始める | ボタンを押すたびにページが切り替わる |
| 向いている商品 | 1つの商品・定期便の初回・お試しなど、選ぶものが少ない | 品数が多く、比べたりまとめて買ったりする商品 |
| 離脱の見え方 | ページの移動が無いので、ページの閲覧数だけでは見えにくい | どのページで離れたかを閲覧数で追える |
LP 一体型フォームのメリット
フォームへのページ移動で離れる人が減る
分離型では、LP の「購入する」ボタンを押してからカートのページが開くまでの間や、カートから入力ページへ移る間に、一定の人が離れていきます。ページの読み込みを待つ間に気が変わったり、見慣れないカートの画面に戸惑ったりするためです。
一体型ではこのページ移動が無いため、移動のたびに生まれる離脱をまとめて減らせます。単品通販で LP 一体型フォームが選ばれる大きな理由は、ここにあります。
LP を読んだ気持ちのまま入力を始められる
LP は、商品の悩みに共感してもらい、使ったときの姿を思い描いてもらい、「試してみたい」と思ってもらうために作られています。一体型なら、その気持ちが高まったところで、同じページの中ですぐに入力を始められます。
ページが切り替わると、見た目や雰囲気が LP から急に変わることがあります。一体型ならフォームのデザインも LP に合わせやすく、読み手の気持ちを途切れさせずに申込へ進んでもらえます。
広告からの流入を1ページで受けられる
単品通販では、広告から LP に来た人に、その場で申込までしてもらうのが基本の流れです。一体型なら、広告から申込までが1ページにおさまるため、広告ごと・LP ごとの成果を比べやすくなります。LP を複数作って見比べる(A/B テストをする)ときも、フォームまで含めた1ページを単位にして比べられます。
LP 一体型フォームのデメリット・注意点
ページが長く重くなりやすい
一体型の LP は、商品の説明に加えてフォームまで1ページに入るため、どうしても長くなります。画像や動画を多く使う LP では、ページ全体の読み込みに時間がかかり、スマホで開いたときに表示が遅くなることがあります。
表示が遅いと、フォームにたどり着く前に離れる人が増えます。画像を軽くする、フォームの部品を必要になってから読み込むなど、表示速度への配慮が欠かせません。
複数の商品やまとめ買いには向かない
LP 一体型フォームは、1つの商品(または少数の商品)を申込んでもらうことを前提にした形です。品数が多い商品や、ほかの商品と比べてから選ぶ商品、「ついでにこれも」とまとめて買ってもらいたい商品には向きません。
一体型の LP でもう1品を勧めたいときは、申込の直後に別の商品を案内する(アップセル・クロスセル)といった形で補えます。
どこで離れたかが見えにくい
分離型なら、カートのページ、入力ページ、確認ページの閲覧数を比べれば、どこで人が減っているかがわかります。一体型にはこのページの区切りが無いため、ページの閲覧数だけでは、フォームのどこで離れているのかが見えません。
「一体型にしたのに申込が思ったほど増えない」ときに原因を探しにくいのは、この点が大きく影響しています。
入力の途中で離れた人は残る
一体型で減らせるのは、ページを移るときの離脱です。名前や電話番号を入力し始めてから、申込ボタンを押すまでの間に離れる人は、一体型にしても残ります。お届け先や支払い方法、定期便の条件など、入力することが多い単品通販のフォームでは、なおさらです。
しかも、この離脱はカゴ落ちメールでは拾いにくいものです。一体型のフォームにはカートに商品を入れる手順が無く、LP に来るのは初めての人が多いため、会員の情報も残っていません。入力の途中で離れた人が誰だったのかもわからないまま、終わってしまいがちです。この点への打ち手は、記事の後半で紹介します。
LP 一体型フォームが向いている商品・向いていない商品
一体型が向くかどうかは、申込のときに「選ぶもの」がどれだけあるかで決まります。
| 向いている | 向いていない |
|---|---|
| 1つの商品を主役にした単品通販 | 品数が多く、一覧から選ぶ商品 |
| 定期便の初回申込・お試し価格の商品 | ほかの商品と比べてから選ぶ商品 |
| 広告から LP に来た、初めての人に申込んでもらう商品 | 既に会員になっている人の再購入が中心の商品 |
スキンケアや健康食品のように、1つの商品を LP でじっくり説明し、初回はお試しの価格や定期便で申込んでもらう売り方とは、特に相性がよい形です。反対に、品ぞろえで選んでもらうお店や、既存のお客様がマイページから買い足すことが多いお店では、分離型のカートのほうが使いやすい場面が多くなります。
同じお店の中でも、新しいお客様を集める広告用の LP は一体型、既存のお客様向けの通常の商品ページは分離型、と使い分けることもできます。
LP 一体型フォームの作り方
LP 一体型フォームを作る方法は、大きく分けて2つあります。
カートの一体型 LP 機能を使う
単品通販向けのカートの多くは、LP 一体型フォームを作る機能を持っています。カートの機能を使えば、フォームで受けた申込がそのままカートの受注として登録されるため、受注管理や定期便の管理まで一続きで扱えます。
主なカートと、各社の公式ページでの機能名は次のとおりです(2026年9月時点)。
| カート | 公式ページでの機能名 | 補足 |
|---|---|---|
| ecforce | LP購入フォーム | |
| リピスト | フォーム一体型LP | |
| スマレジEC・リピート | LP一体型フォーム | |
| 侍カート | フォーム一体型LP | |
| サブスクストア | LP一体型フォーム | |
| たまごリピート魂 | たまごLPフォーム | |
| メルカート | フォーム一体型LP | |
| ショップサーブ | EストアーLPカート | オプション |
| EC-CUBE | フォーム一体型LPプラグイン | 有料のプラグイン |
| Shopify | (標準機能ではない) | アプリで対応 |
標準機能かオプションか、作れる LP の数に上限があるかなどは、カートや契約プランによって異なります。検討の際は、各社の最新の案内を確認してください。
LP 制作ツールやフォームツールで組む
LP 制作ツールやフォーム作成ツールの中にも、フォーム一体型の LP を作れるものがあります。たとえば Squad beyond は ecforce と連携して購入フォーム一体型の LP を作れ、Pivot-Form は1つのページに LP とフォームの両方を作れることを案内しています。
LP のデザインや A/B テストの自由度を重視するなら、こうしたツールを使う方法が向いています。その場合は、フォームで受けた申込をカートの受注へどう受け渡すか(連携の方法や、定期便の設定が引き継がれるか)を、あらかじめ確認しておくことが大切です。
LP 一体型フォームの成果を上げる設計のコツ
一体型にしただけで申込が増えるわけではありません。フォームの中身を整えて、はじめて一体型の良さが生きます。入力フォーム全般の改善(EFO)の考え方はフォーム離脱の対策は3段階に分けて考えるで整理しているので、ここでは一体型で特に気をつけたい点に絞ります。
入力する項目を絞る
一体型のフォームは LP の一部として目に入るため、項目が多いと、入力を始める前から「大変そう」と感じさせてしまいます。申込に本当に必要な項目だけを残し、アンケートのような任意の項目は申込の後に回します。
住所は郵便番号から自動で入力する
お届け先の住所は、単品通販のフォームで最も入力の手間がかかる項目です。郵便番号を入れると住所が自動で入る仕組みは、多くのカートやフォームツールに用意されています。必ず使うようにします。
電話番号とメールアドレスを前半で聞く
連絡先の項目は、フォームの前半に並べておくのがおすすめです。入力の途中で離れた人がいても、電話番号やメールアドレスが入っていれば、後から連絡する手段が残ります。記事の後半で紹介する打ち手も、この順番が前提になります。
定期便の条件は、入力を始める前に見せる
定期便の申込では、「何回続ける必要があるか」「いつでも止められるか」といった条件を気にする人が多くいます。この条件がフォームの最後になってやっと見えると、そこで手が止まり、離れる原因になります。条件は LP の中やフォームの冒頭で、入力を始める前にわかるように示します。
支払い方法は、選ばれやすいものを上に並べる
クレジットカード、後払い、代金引換など、支払い方法の選択肢はお客様によって好みが分かれます。選ばれやすい方法を上に並べ、選んだ方法に必要な項目だけが表示されるようにすると、入力の手間を減らせます。
それでも残る「入力の途中で離れた人」への打ち手
フォームを整えても、入力の途中で離れる人がゼロになることはありません。一体型の LP で、この人たちにもう一歩踏み込むなら、次の2つから始めます。
まずフォームの段ごとに件数を見る
一体型では、ページの閲覧数だけでは離脱の場所がわかりません。そこで、フォームの中を「フォームが表示された」「入力を始めた」「連絡先まで入力した」「申込んだ」の4つの段に分け、段ごとの人数を数えます。
たとえば、次のようなモデルケースを考えてみます(数値は説明のための仮定です)。
| 段 | 人数 |
|---|---|
| フォームが表示された | 1,000人 |
| 入力を始めた | 300人 |
| 連絡先まで入力した | 180人 |
| 申込んだ | 90人 |
このケースでは、連絡先まで入力したのに申込まなかった人が90人います。この人たちは、商品に関心を持ち、入力まで進んだうえで離れた人です。段ごとの人数がわかれば、「入力を始めてもらう」ことと「入力を終えてもらう」ことの、どちらに手を打つべきかが見えてきます。
連絡先が入っていれば、SMS やメールで連絡できる
連絡先まで入力して離れた人には、入力された電話番号やメールアドレスあてに、申込の続きを案内できます。電話番号あての SMS は、メールアドレスを入力する前に離れた人にも届き、ほかのメールに埋もれにくいのが特長です。メールと SMS の使い分けや送る順番は、カゴ落ちメールに SMS を足すと何が変わるかで詳しく紹介しています。
なお、入力途中の情報を使って連絡するときは、プライバシーポリシーでの利用目的の記載や、配信を止められる案内など、法律上の手当てが必要です。具体的な進め方は、専門家に確認しながら整えてください。
私たち OKAERI は、フォームの入力途中で離れた人に SMS とメールで連絡するためのサービスを提供しています。フォームの段ごとの人数を確認でき、料金は成果報酬ではなく、月額と送った分の費用で決まる仕組みです。成果報酬型との比べ方は成果報酬型と定額型は、月の回収件数で損益が分かれると料金シミュレーションでご確認いただけます。
まとめ
- LP 一体型フォームは、LP の中に申込フォームを組み込み、ページを移らずに申込を終えられる形
- フォームへのページ移動で離れる人を減らせるのが一番のメリットで、1つの商品を主役にした単品通販や定期便の初回申込と相性がよい
- 一方で、ページが重くなりやすい、複数の商品に向かない、どこで離れたかが見えにくい、といった注意点がある
- 項目を絞る、住所を自動で入力する、連絡先を前半で聞く、定期便の条件を先に見せるといった設計で、一体型の良さが生きる
- 一体型でも入力の途中で離れる人は残る。段ごとの人数を数え、連絡先が入っていれば SMS やメールで申込の続きを案内できる