カゴ落ちメールに SMS を足すと何が変わるか

OKAERI 編集部

カゴ落ちメールは、カゴ落ち対策の定番の打ち手です。では、メールを送っているのに申込が思うように増えないとき、次に何を足せばよいのでしょうか。

答えの一つが SMS です。SMS はメールの代わりではなく、メールに足して使うものです。メールは費用を抑えながら、商品の説明までしっかり伝えられます。一方で、メールアドレスを入力していない人には送れず、届いても他のメールに埋もれて読まれないことがあります。SMS は電話番号あてに届くため、メールでは連絡できなかった人や、読んでもらえなかった人にも用件を伝えられます。

実際に、あるスキンケアの単品通販ブランドでは、フォームの入力途中で離れた人にメールと SMS の両方を送ったところ、申込につながった連絡の大半が SMS でした。

この記事では、カゴ落ちメールを続けながら SMS を足すときに知っておきたいことを、次の3点で整理します。

呼び戻す以外の対策も含めた全体像は、フォーム離脱の対策は3段階に分けて考えるで整理しています。

カゴ落ちメールは続けたまま、SMS を足す

最初にはっきりさせておくと、SMS を始めるためにカゴ落ちメールをやめる必要はありません。メールは続けたまま、届かない部分を SMS で補う、という考え方です。

メールは、費用を抑えて説明まで届けられる基本の手段

メールのよいところは、送る量が増えても費用がほとんど変わらないことと、長い説明や画像を載せられることです。商品の特長、カートに残っている商品の写真、よくある質問への案内まで、1通の中で伝えられます。

効果の目安として、海外の集計を1つ紹介します。米国のメール配信サービス Klaviyo が、2023年に送られたカゴ落ちメールの自動配信(14万件あまり)を集計したところ、平均は次のとおりでした。

指標平均
開封率50.5%
クリック率6.25%
受け取った人のうち購入した割合3.33%

海外の、Klaviyo を使う事業者の数字なので、国内の EC にそのまま当てはまるわけではありません。それでも、カゴ落ちメールが「送っておく価値のある連絡」であることは読み取れます。やめる理由はありません。

それでも、メールだけでは届かない人・読まれない人がいる

一方で、メールには手の届かない相手がいます。大きく分けると2つです。

  1. メールアドレスを入力する前に離れた人:メールアドレスが手元に無ければ、そもそも送れません。フォームの入力途中で離れた人の中には、名前や電話番号までは入力したものの、メールアドレスの欄にたどり着く前にページを閉じた人もいます
  2. 届いても読まれない人:メールの受信箱には、ほかのお店のメールやお知らせが毎日届きます。カゴ落ちメールもその中に並ぶため、開かれないまま埋もれることがあります

さらに、メールは送る側の設定しだいで、迷惑メールに振り分けられることもあります。たとえば Gmail は2024年2月から、1日に5,000通を超えて Gmail あてに送る送信者に、送信ドメインの認証(SPF・DKIM・DMARC)や、販促メールをワンクリックで配信停止できる仕組みを求めています。こうした設定が整っていないと、せっかくのカゴ落ちメールが受信箱に届かないおそれがあります。

SMS を足すと、メールで取りこぼしていた人に届く

SMS は電話番号あてに届く

SMS は、携帯電話の番号あてに送るメッセージです。メールアドレスではなく電話番号で届くため、電話番号を入力した後に離れた人であれば、メールアドレスが無くても連絡できます。

フォームで電話番号を聞いていて、その欄がメールアドレスより前にあれば、メールアドレスまで進まずに離れた人にも連絡の手段が残ります。

また、SMS はメールとは別の場所に届くため、ほかのお店のメールと同じ受信箱に並んで埋もれることがありません。この点も、メールを補う役に立ちます。

実例:メールと SMS の両方を送ったら、申込の大半は SMS からだった

実際の数字を1つ紹介します。あるスキンケアの単品通販ブランドが、成果報酬型のフォーム離脱リカバリーツールを使い、フォームの入力途中で離れた人にメールと SMS を送ったときの、約1週間分の実績です。多くの人には、メールと SMS の両方が届いています。数字はツールの管理画面での集計で、全商品の合計です。

SMSメール
送った数に対して、リンクが押された割合約9%約2%
申込につながった件数11件2件

同じ人たちに両方を送っているにもかかわらず、リンクが押された割合も、申込につながった件数も、SMS のほうが多くなりました。申込13件のうち11件が、SMS 経由です。

ただし、申込は合計で十数件と少なく、この数字から「SMS はメールの何倍効く」と言えるものではありません。また、メールと SMS の両方を受け取った人がどちらの経由として数えられるかは、ツールの集計の仕方によります。それでも、メールだけを送っていたら取りこぼしていた申込が、SMS で拾えていた可能性は読み取れます。

メールと SMS は、並べて回すもの

このブランドでは、ひと月に SMS を約6,000通、メールを約5,000通送り、申込は月に100件前後という規模で運用しています。SMS とメールのどちらかに寄せるのではなく、同じくらいの量を送っています。

SMS はメールの置き換えではありません。メールで届く人にはメールで伝え、メールでは届かない人・読まれない人に SMS で伝える。2つを並べて回すことで、取りこぼしが減ります。

SMS を足す前に知っておきたい3つの違い

SMS はメールと同じ感覚で送ると、思わぬところでつまずきます。始める前に、文字数・費用・計測の3点を押さえておきましょう。

文字数:1通は全角70文字まで。超えると2通分以上の料金になる

SMS の1通は、全角70文字(半角英数字だけなら160文字)までです。今は70文字を超える長い SMS も送れますが、料金は長さに応じて2通分、3通分と増えていきます。たとえば NTTドコモの料金表では、全角604〜670文字の SMS は10通分の料金です。法人向けの配信サービスにも、70文字を超えるとおよそ67文字ごとに1通分ずつ料金が加わる、と案内しているところがあります。

カゴ落ちの連絡で気をつけたいのは、必要なことを並べると70文字をすぐに超えてしまう点です。次の2つの文面を比べてみてください(ブランド名と URL は例です)。

文面文字数
【〇〇コスメ】お手続きが途中です。続きはこちら https://ex.jp/aB3xK944文字=1通分
【〇〇コスメ】ご入力ありがとうございます。お手続きが途中のようです。こちらから続きをどうぞ https://ex.jp/aB3xK9 配信停止はこちら https://ex.jp/s/aB3xK998文字=2通分

ブランド名、用件、続きの URL、配信停止の案内。どれも入れたくなるものですが、全部を入れると料金が倍になります。

費用:メールは量が増えてもほぼ一定、SMS は1通分ごとにかかる

メールは、SMS のように1通ごとに料金がかかる形ではないことが多く、カゴ落ちメールを数通増やしても、費用はあまり変わりません。

SMS は、送った分だけ1通分ごとに費用がかかります。単価は配信サービスによって異なりますが、「送った人数 × 1人あたりの通数 × 1通分の単価」で費用が決まる点は共通です。送る人数が増えたとき、1人に送る回数を増やしたとき、文面が70文字を超えたときに、費用が増えます。

そのため、SMS を足すときは、月に何人に送ることになるかを先に見積もっておくと安心です。

計測:SMS は開封を数えられない。リンクのクリックと申込で見る

メールでは、開封率を目安にすることがよくあります。一方、SMS には、メールのように開封を数える仕組みがありません。先ほどの実例のツールでも、メールには開封の数字がありますが、SMS にはありません。

SMS の効果は、リンクが押された割合と、申込につながった件数で確かめます。メールと SMS を比べるときも、開封率ではなく、この2つをそろえて比べるのが公平です。

メールと SMS の組み合わせ方

電話番号があれば SMS、メールアドレスだけならメール

まずは、入力された連絡先で送り分けます。

入力されている連絡先送るもの
電話番号だけSMS
メールアドレスだけメール
両方SMS とメールの両方(順番は次の項で)

電話番号だけの人にはメールが送れず、メールアドレスだけの人には SMS が送れません。どちらか一方の手段しか持っていないと、もう一方だけを入力した人を丸ごと取りこぼします。

まず短い SMS で知らせ、反応がなければメールで詳しく

両方の連絡先がそろっている場合は、SMS を先に送り、反応がなければメールを送る順番がおすすめです。

SMS は短い文面で気づいてもらうことに向き、メールは長い説明で迷っている人の背中を押すことに向いています。役割を分けることで、同じことを2回送るのではなく、それぞれの得意なことを1回ずつ伝えられます。

SMS は1通分に収まる文面で

SMS の費用は文字数で変わるため、文面は70文字以内に収めるのが基本です。収めるためのコツは次の3つです。

  1. 用件は1つにしぼる:「お手続きが途中です」だけで十分です。お礼や商品の説明はメールに回します
  2. URL は短くする:短縮 URL を使うと、文字数を大きく減らせます
  3. 配信停止の案内は URL の先にまとめる:SMS の本文に配信停止用の URL を別に書くと、上の例ではそれだけで30文字あまりを使います。配信停止の案内を、リンク先のページに置く方法もあります(案内の置き方は、次の節の確認事項とあわせて決めてください)

ecforce をお使いの場合は、有料オプションの「カゴ落ちメール機能」にも、条件つきで SMS を送る設定があります。できることの範囲は、ecforce のカゴ落ちメール機能でできること・できないことで整理しています。

送り始める前に確認すること

SMS を足す前に、次の3点を確かめておきましょう。

  1. フォームのどこで電話番号を聞いているか:SMS を送れるのは、電話番号を入力した後に離れた人だけです。電話番号の欄がフォームの後半にあると、送れる人数が減ります(LP 一体型フォームでの項目の並べ方は、LP 一体型フォームとはで紹介しています)
  2. 同意の取り方と配信停止の案内:入力途中で離れた人への SMS やメールには、特定電子メール法などの法律が関わります。送る内容が広告にあたるのか、手続きの案内にあたるのかで扱いが変わるため、フォームでの同意の取り方、文面、配信停止の案内の置き方は、専門家に確認してください
  3. 月に送る量の見積もり:SMS の費用は、送る人数と通数で決まります。フォームの入力途中で離れた人が月に何人いるかを、先に確かめておくと安心です

SMS とメールをまとめて送るなら OKAERI

このサイトを運営する私たちの OKAERI は、フォームの入力途中で離れた人に、SMS とメールで連絡するためのツールです。カゴ落ちメールに SMS を足したいときに、2つの手段を1つの管理画面でまとめて扱えます。

今の対策でかかっている費用と比べたい場合は、料金シミュレーションで試算できます。月の CV 件数や送信通数を入れると、成果報酬型の費用と OKAERI の月額を並べて比べられます。

まとめ